Nitobe Inazo's View of the Balkan ― Biopolitical Reading of “Agricultural Policy in Bosnia and Herzegovina during the Austro-Hungarian occupation Cover Image

新渡戸稲造のバルカン観 ―「慕斯尼亞の農政」の生政治的読解 ―
Nitobe Inazo's View of the Balkan ― Biopolitical Reading of “Agricultural Policy in Bosnia and Herzegovina during the Austro-Hungarian occupation

Author(s): Mitsutoshi Inaba
Subject(s): Economic policy, 19th Century, Between Berlin Congress and WW I
Published by: Slavic Research Center
Keywords: Nitobe Inazo; Balkan; Biopolitical Reading; “Agricultural Policy in Bosnia and Herzegovina; Austro-Hungarian occupation;

Summary/Abstract: 1898 年 3 月から台湾総督府民政局長(6 月から民政長官)を務めていた後藤新平の伝記 によれば、1902 年の外遊に際して台湾統治に役立つとの理由から「新植民地」ボスニア・ ヘルツェゴヴィナ(以下ボスニア)の巡視が計画された(1) 。これには、台湾総督府に奉職し ていた大内丑之助と新渡戸稲造も同行しているが、伝記はウィーンまでの出来事を述べるに とどまる。松田吉郎と新福大健は、具体的に分析していないが、1903 年に『臺灣協會會報』 に新渡戸が「慕斯尼亞の農政(以下慕斯尼亞)」と題する一文を発表していた事実を挙げて いる(2) 。故に、彼らが、バルカンあるいはボスニアをどのように見たのかに関して、新渡戸 だけが手がかりを与えてくれる。この「慕斯尼亞」は台湾協会で同年 2 月に発表された講演 に基づいている。他方でユーゴスラヴィア地域と日本との交流に関しては、少数の史的研究 が存在するが、新渡戸にも「慕斯尼亞」にも触れていない(3) 。

  • Issue Year: 2019
  • Issue No: 66
  • Page Range: 151-166
  • Page Count: 16
  • Language: Japanese
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